前職 ドライバー
運転手。いえ、
走る熱処理技能士です。
田中熱工株式会社 本社製造課 物流係 主任
桐原 幸成
前職は建材卸売業のドライバー
前職は同じトラックの運転手でした。建材卸売業の会社で10年近く勤務していましたが、会社の廃業がきっかけで転職先を探すことになりました。荷物を持たなくて良いことが転職先の条件でした。建材関係でしたので、積み下ろし、積み込み時に重量物を持つことが多く、腰を痛めていました。
配送も品質管理の一つ
今の職場で一番の変化は、積み荷に気を遣って運転することですね。当然、これまでも気は遣っていたのですが、振動や揺れが原因でパレットや半ドラム(関西圏のねじメーカーは、ドラム缶を半分に切断してねじを保管する)から、ねじがこぼれ落ちて他のパレットや半ドラムに入る可能性があります。つまり、それは異品混入になり品質管理に関わることですから、気を遣いますね。あと、雨の日はもっと気を遣います。基本的に金属製品を扱いますから、錆の原因となる雨にさらさないようにします。ラッピングをしたり、シートを被せたり。それも、気を遣う作業ですね。
楽しい仕事は、
自分がカスタマイズした
トラックが納品された時
前職の会社と違いは、自分の仕事に関わる人が多いことですね。部下もいますし、他部署との連携もあるので。仕事中は電話が鳴り続けます。お客様から突然「荷物を取りに来て欲しい」と言われることもありますし、反対に、「今日中に納品して欲しい」というリクエストもあります。さらに、部下がいることも大きな違いです。求められる配送に対して効率的かつ部下の能力も考慮してルートを決定する必要があります。車を運転する時間より、机に向かっている時間が年々長くなりますね。個人的には運転するのが好きなので寂しくはあります。ただ、個人的に一番楽しいのはトラックの発注です。150ぐらいあるカスタマイズ項目を決めたトラックが納品されたときは、かなり嬉しいですね。当然、予算もあるのですが、それも他部署との折衝ということで強気で押してます(笑)。でも、部下の意見を聞きながらカスタマイズしたトラックは、部下が長くキレイにメンテナンスしながら乗ってくれます。その様子を見ると、上司として嬉しくなりますね。
モノを運ぶだけでなく、お客さまとの重要な接点となること
弊社の場合、運転手は営業マンでもあります。なぜなら、社内の誰よりもお客様と接するのが私たちです。「これから忙しくなるよ」とか「こういう処理する商品扱うから頼むかも」とか。お客様の情報を掴んでは報告するようにしています。「品質求められるのはエマナックさんのところに出すわ」と言われると嬉しいですね。そういう背景で、実は金属熱処理2級の資格を持っています。社内でもドライバーでは初めてのようでした。大変でした(笑)。何しろ用語が全く分からないですからね。「マルテンサイト」。何それ?という感じでした。5か月間、1日1時間勉強しました。感謝しているのが、実技試験対策のために現場の方が時間を割いて基礎から教えてくれたことです。おかげさまで、試験合格はもちろん、大阪府下の成績優秀者として表彰されました!単に荷物を運ぶ運転手ではなく、会社とお客様を繋ぐ大事な仕事をしているスタッフと評価してくれているので、仕事に誇りを持って取り組めていますね。